ホオジロと会話した朝/山人
 
う経緯がある。

 四月五日から散歩をはじめ、すでにひと月が経過した。次第に距離を増やし、今は四〇分歩いている。ショートカットの車道は最初は雪に覆われていて、長靴でないと駄目であったが、今はほとんど雪は無くなってきている。あれだけ雪があったのに今は無くなっているいるという、うそのような本当の話。その昔、都会の子供たちをスキースクールで教えていた頃、この雪って夏はどうなるんですか?消えるんですか?と無邪気な質問を投げかけてくれた子供たちが居たが、ずっとここに住んでいる私たちであっても、あれだけの雪の量がまったくなくなってしまうことは驚くべきことなのである。
 周回がもう少しで終わる頃、建設業者
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