Narcissus/あらい
 
地下水から引き上げる作業は厚化粧で
見本市を訪れた黒子の数に等しくあたる、自然に空いた竈に業火をみて
注がれる速度にオートマタとは言わずもがな。だが

ちからはおおきくもなく心置きなく街を行く

丸暗記を繰り返した悪酔いは遊覧飛行に
諸説を突き入れたものだと
御者のない揺り籠に乗り込んでいたのでしょう

奇想奇天烈な心臓の拍動に縫い針を落としていく(そっとして、おいて)
皮下脂肪に青い薔薇の活舌と冷戦をひたすら(、詰める。)

母親の、従順な釦と精巧な耳鳴りを
君と、さかさまの惑星間で、無機質な道徳を、
間違いだらけの祝日に「ほらあげるよ。」

可視角(かしかど)から眺める渡線橋と水平に亘る
アスファルト、ようとした 亀裂
これが水割りのエメラルド、削られた星屑から妹を救出しただけの、

非公式な午後の一端なのですよと微笑して
「わたしたちはこうしていかされているのですよ。」
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