連合軍の反撃(八)/朧月夜
連合軍の敷いた多重結界が消え去ろうとしていたころ、
アースランテの軍団では、隊長会議が開かれていた。
そこに集結していたのは、軍団長であるエリス・ガザンデ、
千人隊長のゴゴイス・リーゲ、アラス・ロザンなど。そして六人の正魔導士。
「アジェスの森の北辺には、ルブルス河が流れております。
敵は当然、ここにかかっている橋を切り落としていることでしょう。
我々は、いかだを作って河を渡る必要があります」
ゴゴイス・リーゲがまず発言した。それに対して、ロッハ・ルイは、
「いいえ。もっと良い作戦があります。いかだをつなげた橋を作るのです。
これなら、各個撃破の危険を回避することができます」
「敵兵はルブルス河周辺に留まっているだろうか?」エリスが問う。
「連合軍はナハテ・ガルの砦に閉じこもって、一時休息しているでしょう」
「ならば良いのだが、ここはまず密偵を派遣して、周辺の様子を探らせましょう」
「そうだな、シュティンガルト・デイに偵察を命じよう」
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