砂金採り/ただのみきや
を聞いた
あれは光の眩暈
たんぽぽの連鎖爆発
年月などすでになく
季節の巡りが例祭だ
清濁流れ込む
聖俗同居の霊肉
概念の甲殻が外れ
溶け出しては流れ込み
万象と入り混じる
「在る」と「無い」は
互いの仮庵となり
空想と現実は創作によって
ひとつらなりの身体となる
芸術は侵食であり
芸能は憑依である
理屈は耕された地表にすぎず
理想は一夜の花嫁衣裳
大地も肉体も制御できない
マグマを宿している
太陽と対峙した歌声は
発火した命
生は挑み
死は翼を得る
故に愉楽
すべての労苦とつり合うほどに
巡る季節の例祭よ
咲くも散るもまあ早いこと早いこと
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