連合軍の反撃(七)/朧月夜
憔悴しきっている、ラゴスとクールラントの兵とは違って、
アースランテの軍勢は活気に満ちていた。何より、
首都から二万の援軍が到着するというのである。
これは、ラゴスという国家を一網打尽にするチャンスかもしれなかった。
しかし、総司令官であるエリス・ガザンデは慎重だった。
「ラゴスとて民兵の招集は出来る。そして、彼らを盾にすることも」
卑劣な戦いは好まない、エリス・ガザンデらしい意見である。
「援軍が来た後は、正攻法で攻めるのが良いだろう……」
孤独のなかでエリス・ガザンデは思った。
正面突破、中央突破、鶴翼の陣、包囲陣。エリス・カザンデは、
戦場での様々な陣形を思い浮かべる。
アイソニアの騎士が喫したような失敗は、軍団長である自分には許されないのだ。
そのためにも、優秀な副官がいなければいけない。それは誰だろう?
エリス・ガザンデは、一人、心のなかで問うていた。
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