シオマネキ/
umineko
どんな悲しみも
形がないよね
たとえば
死
あなたはもう
こちらの世界にいないから
私の中で暮らしてね
ようこそ
散らかった私の意識へ
母は言う
毎日言う
誰かのために生きなさい
わかってる
私の意識は混とんとして
私なんだか 母 なんだか
すでにゆるゆる
囲いは溶けて
海岸で
シオマネキがひとりきり
大きく右手を振っている
ねえ
いこうよ
水平線が
夜のしじまに隠れる前に
やさしくなあれ
やさしくなあれ
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