まどかにつき/あらい
 
夢魔一途にも昨年の夏、ほっとしたような
華やかな紛い物で甘い苺 目の前には

乏しいほどジタバタと、羊の群れ、穏やかにも

従わせるドアにすとんと抜け落ちて 
穴があくほど /心臓の鼓動 なるもの/が溢れ

『新しい時代は 人間としての多湿、一斉の傾き』
青い海の光は明るく 火が、灯る。

<やれやれ>
(屈託のない「考えが、ますぐには」及ばない)
肩で息をする(無音)ぞっとして
――蜥蜴の胸元をかどわかし 口が重いのだ。

緑草のような浜を 濡らし伝達する
眉間のシワ 振り解いたような後方を

虚脱して厳かに承(う)け合わさり

「そばにいるよ」
>>無抵抗の光沢
「その場で死ね」 

ざっくりとした踏み板の日照りに、味はある
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