青天/
凪目
コンクリに黒い蝶々が座ってた
へんに接着剤の匂いのする雨上がりの水を吸って
閉じたり、開いたり
翅は日陰と同化して
ファインダーに写らない
川の、
先週までは、桜が膜を張ってたとこに今は
かもされた洗剤が溜まってる
接着剤の匂い
次に止まる場所
それがどこであれ
あの糸の足の先端で歩いたとこに
小さなつぶの足跡残して
そうしてまたどっか飛んでく
気づかないだけ
見えないだけで
辺りには足跡がいっぱい
見えない足跡でいっぱい
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