気がつくと/soft_machine
気がつく
前のことが
気になりました
思いでのはじまり
好きと嫌いのかたむき
あなたのことなら
まばたきの数までしってるわ
けれど
自分のこととなると
あわただしく駈けぬけてくけもの
それは、わたし
みぎとひだり濃さのちがう眉
それも、わたし
春の夜明けに透けてゆく雨
それこそ、が
だから鏡は知らないの
なぜって
割れるでしょ
わたしがわたしを壊す
なんて疑えないくらい
信じられない
つまりあっという間に灰になる
白のおり鶴がいい
とおいなみだ顔
雪占いがいい
気がつくと
パレットでなれた
あの空と宇宙のまぶしい伽藍
カンバスの虫くいから
首だけ出して見わたすと
そこいら中
異形
そうしてわたしは
ふたたび
わたし
いつか
あなたに
うまれかわるわたし
戻る 編 削 Point(0)