ブルとディブ/nemaru
 
い。店じまいする不動産屋の男ふたりが、電光看板を店内に引き込んでいる。踏み板が鳴り、男ふたりの体躯は看板に対し役不足で、余り切っている。生き残ってきた感じがして、また暗数を感じる。体躯から差っ引かれた自分は、数年後、亡霊になっているものだと、てっきり思っている。営業、という体躯は生き残り感。サバイブより、生き残り。バイタリティ(わたしがいつも思うのは、バイタリティって保持するチカラなのだ)。メンタリティではなく。互助ではなく。私は1m×1mでピラミッドを作ることを決めた。彼らは10m×10mで作ろうと決めたぶん、完成予想図の、てっぺんの石の距離感で想定して接するしかないので、男なのだと、ぼんやり思
[次のページ]
戻る   Point(0)