Une Correspondance/ホロウ・シカエルボク
 

ホルマリン漬けの胎児が見る夢を具現化したような午後、生命が身体のどこかから抜け落ちて…俺はさながら末期の中毒患者のようだった、上手く動けず…横になっては束の間の眠りに溶け込み、少し起きてはまた横たわる…なにが原因かわからなかった、アレルギーの薬は最近強めのものに変わったけれど、そんなことが関係あるとは思えなかった、両腕はわずかな電流が流れているみたいに痺れ、上手く力を込めることが出来なかった、ままならないことは、それがどんなささやかなことでも、強烈な痛みや苦しみよりも強く、死のイメージを強くする、何かが歪んでいる、何かがまともではない、それによって様々なものが気付かぬうちに失われている…ぼんや
[次のページ]
戻る   Point(0)