銀河の原罪(意訳)/由木名緒美
凌轢されるままに忘却する天地
*(凌辱されるままに空も大地も分からなくなる)
お前が喰らった成層より深い憐憫は
*(お前が引き裂いた深い深い私の憐みは)
幼さに依拠する自恃の蛮勇だったか
*(ただ幼さゆえの、自己満足の勇気だったのか)
その歌声に魅入りさえしなければ
*(その歌声に聞き惚れさえしなければ)
罅ひび割れた網膜も剥がさずに済んだのか
※(お前も醜い悪魔に豹変せずに済んだのか)
なぜあなたは不条理を愛でながら
※(なぜ神は不条理を許して)
沈黙の靄に眼差しだけを残すのか
※(沈黙しつつも見つめているだけなのか)
慈悲の化身であるというのなら
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