銀河の原罪(意訳)/由木名緒美
(あっという間に深い水の底へと飛び込んだ)
あぶくの渦流に虎視が陰影を蠢かせ
*(あぶくの間からこちらをねめつけるような視線がうごめいて)
顕われたのは醜悪な牙
*(現れたのは醜く歪んだ敵意の顔)
洞の眼窩に憎悪を燃やす怪魚だった
*(洞穴のような目の奥に憎しみを燃やす怪魚だった)
混沌の幽玄を刺し貫くには
*(理解不能な事態を一瞬で判断して防衛するには)
稚魚の乳歯はあまりに浅く
*(私はあまりに幼過ぎ)
相剋の齟齬は永訣の理を歪ませる
*(行き違う思惑は、決別する筈だった道を歪ませる)
濁流は猛り狂い背鰭を飲み込み
*(私の拙い反撃に男は怒り狂って私を襲い)
凌轢
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