銀河の原罪(意訳)/由木名緒美
 
な瞳を嗚咽で浸し
*(綺麗な瞳を涙で浸し)
嗚咽に背を折り月を振り仰ぐ
*(背中を折り曲げて泣きながら、月を見上げている)
縁故から断絶された慟哭の
*(あらゆる繋がりからはぐれて)
水底に響く以心のさざなみ 
*(その悲しみに同調してしまい、水面がささめく)
その喚なき声を宥めるために
私はおずおずと浮揚した
*(だから私はなぐさめるために、おずおずと近づいた)


垣間見えたのは雌雄のつかぬ貌
*(その人は男とも女ともつかない顔だった)
途絶えた悲嘆は来訪を拒むように
(近づいた私を警戒するように、その人は悲しむのを止めて)
一瞬に深淵へと飛び込んだ
*(あ
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