銀河の原罪(意訳)/由木名緒美
魔の心を満足させたか)
その溜飲は奈落の淵に届いたか
*(その満足は地獄にまで届いたか)
傷みとは殴打する心悸の記憶
*(痛みとは、記憶を思い出す度に波打つ動悸)
自我と彼我とを乖離させる岸への身投げ
*(生き延びるために意識さえも解離させた)
内在を切り刻むことで 他者の依り代へ報復する
*(自分の心を痛めつけることで、事態の報復へと変える)
憧憬は堕ち、娼婦の凛々しさを慕い
*(夢や未来は墜落し、娼婦のようになりたいとさえ願い)
逡巡が太腿を蒼白に染める
*(悩み抜いた心が真っ青になる)
それは憂愁の兎だった
*(それは憂いの人だった)
無垢な瞳
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