銀河の原罪(意訳)/由木名緒美
 
文芸思潮にて最優秀賞をいただいた詩の意訳になります。


銀河の原罪



引き裂かれた純白は紡いだ秘史
*(引き裂かれた純潔は、私の誰にも言えない歴史)
振り向く斜陽は 嘆きの夜を引き上げる
*(振り向く夕日に悲しみの夜を引き上げる)
むせぶ人の片頬の躓きを藍色に包み抱いて
*(むせび生きる人の片側の過ちを藍色に染めて)


腐臭の眼に沈む夜
*(汚い目をした男に犯された夜)
鈍刀は胎盤を貫き
*(凶器は胎盤を貫き)
血の海は溶岩流となって皮膚を焼いた
*(大量の出血が痛みと共に皮膚を焼いた)
絶叫はお前の獣をあやしたか
*(私の叫びはお前の悪魔の
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