僕は僕の歌を歌う下手くそでも/秋葉竹
臓を乱れ撃つ在りし日のリリシズムが
その海がかなた南極まで続いていく真実が
簡単に人間絶望論を包み隠してくれるから
水平線を見納めて
銀河に願いを込めたたそがれどき
神なき夜に人ひとり生きる権利への
絶望と希望のすり替えを果たすには
まだ自由に使える時間は残されている
それでも下手くそな歌を
歌う喜びはのこっていた
手に入らないものはもう要らないと
言葉にして客観的な想像さえ棄て去った
悲しいけど人ひとり生きるには
怯えながらでも歌を歌うしかないんですッ!
そう大きな声で叫んでやった声が破れても
もはや人に嫌がられることや憎まれることを
心に刻み灼きつける時間だけは
僕からは無くなってしまっていたのだから
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