君/ひだかたけし
 
遠く瞬きする君の瞳が
流れ行く彗星の尾に触れて
ますます輝きを増すから
僕は遥か雪嶺から駆けおり
渦巻く思いを君に伝えよう

小さな子供が身体いっぱいに弾け
ぐるぐる野原を駆け回る
命を裸にして
歌って躍って駆け回る 

あゝ神さま
いのちはいつまで続くのでしょう?
私たちの、わたくしの
残酷で美しいこの日々は
いったいいつまで、いったいいつまで

今、見据えられる君の瞳
過ぎる歳月の彼方から
これら歴史の連綿を
垂直に切断する
反復される戦闘を
繰り返される殺戮を
なきものにするために
いまわのきわに滅ぼすために








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