かいじゅうのうた/凪目
 
昼は
昼はおおきすぎて
おなかのなかで
昼じゃない時間になった

かいじゅうは君が開いたことない本の、151ページ11行目の中にいるよ
かいじゅうは雨の日、水受けになったプラスチック容器いっぱいに溜まってる
かいじゅうは君がいらないと言ったとき、背中の辺りを漂っていた埃の形をしています

  ぼくには
  心臓がふたつかみっつあって
  どれも膿んでいる
  かさぶたになったところでだけ
  歩けるとこまで行ってみようと思った

えー今ねえ、いま帰ってるとこ、だから文化とおなじくらいじゃん
おおきい時間はかいじゅうをしつけない
違うまだ一週間だよ、今日ちゃんと閉め
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