詩の日めくり 二〇二〇年一月一日─三十一日/田中宏輔
二〇二〇年一月一日 「ウィルス」
あたいの携帯、へんなウィルスに感染しちゃったみたいで、勝手にアドレスを書き換えられちゃってて、知らないひとにつながるようになっちゃった。でも、偶然、近くにいるひとがいたから、これから会いに行くんだ。楽しみ。
二〇二〇年一月二日 「妹」
さっき、妹がテーブルのうえに、炒めた野菜を落としたのだけれど、さっと、ぼくがそれを箸でひろって食べたら、きたないっていうので、だいじょうぶ、テーブルきれいだから、というと、それじゃあ、これからそうして食べなさいと言うから、それは違うだろうって言ってやった。頭の悪い子だ。
二〇二〇年
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