ぬかり/凪目
ただれて行き倒れてる君の傍らに
僕は突っ立って尋ねる
なんじから、どこでだっけ?
しらねえよ
それって、だれのまね?
これで通算……
君は待ってる
それがくるのを
僕は退屈
なんでまってるの
いつまで
曰く、まさにそれのために
その問いに対する答えをこうして、待ってる
そうなんだ
墓、墓穴をさ、暴きに行こうよ
でも、君は君自身の穴の中にいる
寝返りも打てないくらい狭いそこで、腐乱に埋もれて寝言を垂れてる
垂れて、流れて、そうして、寝言に食べられる
僕は、君の舌の厚いのとか、肝臓の病気みたいな色とか
洗わなかった隙間の垢とか、そういうのが
でっかい夢の名残りの歯で、臼がやるみたいにすり潰されていって
喉、焼けた食道を通過して、垂れて、流れて、そうしてそいつが焦土をゲロびたしにしてくのが
愉快で、楽しくて、楽しい
楽しくて、ずっと笑ってる
でももういい
もううんざりだ
僕はその辺で
死んだ虫になる
傍らには君が突っ立っていて
僕に道を尋ねる
それでまともに目を覗き込んだ
そのときはじめて君を見た
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