ひと時の休息（二）/朧月夜
ラゴスの国王、アウゼル・ローガンテは憔悴していた。
「まさか、これほどまでに早くアースランテと戦争になるとは」
アースランテによるラゴスの海上封鎖は続いていた。
すなわち、海外にいる兵士たちを呼び寄せることはできないのだ。
「この期は、クールラントの援軍に頼るしかあるまい。
しかし、気になるのはファシブルとヒスフェル聖国の動向だ」
ラゴスは、ライランテ大陸にあっては、わずかな領土を占めるだけだった。
広大なファシブル、魔導に優れたヒスフェル聖国、
それらも、いずれは戦わなければいけない相手だった。
このヨースマルテには、一つの言語しかない。
すなわち、言語崩壊の後にウィザムたちによって作られた言語だ。
国家間の垣根はない、と言っても良かったろう。
アウゼル・ローガンテはため息を吐く。
「この世界はやがて一つになるのか。それは何千年先であろう？」
[ｸﾞﾙｰﾌﾟ]
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