ひと時の休息(一)/朧月夜
ラゴスとクールラントの同盟がなった日、
祭祀クーラスは王宮のテラスで微笑していた。
「これでクールラントはわたしのものになる。
名実ともに祭祀(ドルイド)が統治することになるのだ。
それを遠巻きに見つめている者がいた。
祭祀クーラスの妻、フフリナである。
フフリナは祭祀クーラスに近づいて行って言った。
「何をなさっているのですか、あなた」
「何。今後のクールラントのことを考えていたのだ」
「クールラントはラゴスと連合したのですよね、
その後の心配はないのですか。ラゴスに支配されるとか……」
「心配ない。その後の手はもう打ってある。
お前は何も心配しなくても良いのだ。クールラントは永遠だ」
その時祭祀クーラスも、自らが血染めの道を行くとは思っていなかった。
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