あの男が死んだら/板谷みきょう
 
いつも
いつも
そうだった

結局
誰かの
せいにして
誰かを
悪者にして

そうして
無かった事にした

その出来事の何処に
自分が存在したのか

自問することも
無いまま

そうして
無かった事にする

祖父も

父も

兄も

僕も

そうしなければ
暮らしを守る術が
無いのだもの
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