夜風とたましい/
ひだかたけし
ちりちりと
夜風が弾ける
肌の面
肉から解離し
タマシイの
涼やか響く
原音が
辺りに木霊し
光っている
脳髄はとろり
蕩けるよう
夜風にうっとり
流れ出す
彼方此方を巡っては
青いきざはし
掴み取り
遠い国へと帰っていく
一つの透明な魂が
修羅の野原で
遊んでいる
明日はあそこと
遊んでいる
夜風はまるで
夢のよう
ちりちり
素肌に弾けては
懐かし深奥のフルサトへ
わたしのたましいを運んでいく
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