虐殺の街/
ひだかたけし
軽やかに
憂鬱に
雨降りのなかを
舞いながら
虐殺の街へ
至る
情報は不断に
操作され
犠牲者の数だけ
浮遊する
この世界という
荒涼とした廃墟
戦禍は絶え間なく
欲望は欲望を越え
増殖する
傍ら
私たちは
暗鬱なダンスを
軽やかにこなし
今日も家路を急ぐ
裁き手を欠いたまま
裁き手を欠いたまま
重なり合う
絶望の深淵が
顔無き死体の累積を
無関心のうちに
消去してゆく
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