ラゴス・クールラント連合(二)/朧月夜
ラゴスの王、アウゼル・ローガンテは、
祭祀クーラスからの密使と会見をした。
祭祀クーラスの密命は、「ともにアースランテと戦いましょう」
というものだった。アウゼルはそれも予感していた。
ラゴスの国はクールラントと戦ったこともある。
協働して、レ・スペラスの国を駆逐したこともある。
今、クールラントはラゴスの敵なのか、味方なのか。
アウゼル・ローガンテは迷った。
「その見返りは?」アウゼルは尋ねる。
「ライランテ、そしてラゴスの平和です」と、密使は答えた。
「我が国が得るものはあるのか、と訪ねているのだ」
「得るものはありますまい。しかし、失うものもないのです」
クーラスの密使は平然として言い放った。
「その申し出、しかと考えてみることにしよう」アウゼルは言った。
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