訪問地の風景/番田 
 
僕はご飯がうまかったのではあったが
出かけた 緑の中を そして
あれは雨の日だった
雨の景色を見ていたのだ
僕は小さな市電に乗って 街に出た
石畳の景色を春に見て 訪れていた
モナコのサボテン植物園も 僕は
春だったと記憶させられている
女の子の怪しい男に盗まれた体の記憶と
サラダの味を あの日本人のレストランで
働いていた あの本屋で
今でも金がすべてだろうかと思うのだ


この街では元気は無かったけれど
スーパーは三件あった
電車を使う必要がCDショップに行くにはあった
桜も散り 忘れていった
枯れ葉がその思いを覆うかのように散り
昔のことばかりを書いてい
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