労働/山人
底冷えの日が続いている
夜明け前の除雪車の轟音に目覚め、ドアを開ける
階段のコンクリートの端をなぞるように雪を掻き落とし
人力除雪が始まる
ずっともうこんなことをやっている
固い空気が微動するのを感じる時だ
寂れた思考の湖は、波一つなく一隻の知らないボートが浮かんでいる
闇は深い
コトリとした音もなく、永遠と呼ぶにふさわしい水深がある
その無機質な湖に言葉を散らしていく
呪文のようにつぶやき、作業を進める
道路の端には、何度も雪を捨てに往復した足跡が
まるで、何十人が作業したようにその痕跡を残している
今はもう、それを消し去って降りつくしてほしいと願う
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