小さい恋の詩（一）/朧月夜
少し時間を遡るが、これはハッジズが、
ラーディガンと盟約を交わす以前の話である。
アイソニアの騎士は、アースランテの聖騎士に取り立てられた。
そのことを覚えている者も多かろう。
アイソニアの騎士は、主にファシブルとの
小競り合いに駆り出されていた。
マリアノスが王位に返り咲いて以来、
ファシブルは穏健化の道を進めてはいたが、
それでもアースランテとは幾度もの戦闘を繰り返していたのである。
そんな前線で、アイソニアの騎士は無双の力を発揮した。
他の兵士たちが二人を倒しているところ、
アイソニアの騎士は十人の兵士たちを屠っていた。
それには、魔剣ゾフィアスの力も加護していた。
そんなアイソニアの騎士に、密かに恋している少女がいた。
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