万華鏡/凪目
白紙と名付けた毛布に包まり
むき出しの耳を塞ぐ
手のひらは押し当てたはしから粒子になり
あなたがたを取り込む、あなたがたは実際細かな粒子で
一粒一粒が性格を持っている
限りない煩悩
限りない交差を泳いで浮かぶ
太陽の遊ぶ川の肌に
また、風を噛む葉という葉の中に散乱していて
収束と散乱、散乱と収束を
泡のように繰り返し
てんでばらばらに深い呼吸をする
それもむき出しの呼吸を
あなたが吐く宝石がやがて
ぼくを全身こなごなにする
あらゆる色を反射して光る、時間の欠片の鋭さに
ぼくの全身はまぶたになる
ぼくはまぶしくていられない
背骨から墨が滲んで広がり
畳んで開けばなぜ、どうしての形になる
なぜ
どうして
それでばかり埋もれて尽きない
外はきれいで悲しくて
開いていると壊れていく
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