母はフェニックス/壮佑
 
クスは、ヴェスヴィオス山の火口に投げ込むと蘇ると昔読んだマンガの「火の鳥」に描いてあったが、私の母は踊りの奔流と大渦の中で何度でも蘇る。そこがまた悩ましいところではあるが仕方あるまい。母というものはフェニックスなのだから。

蘇るがいい母よ。私は何処かを走り回っているムカデの足が生えた記憶についての記憶についての記憶…が薄れて行くのはそっちのけで捩れた生霊達と踊り続けている。太鼓の達人も張り切ってばちを振り回している。はあヨイヤサァ、ヨイヤサァ、ヨイヤサノサッサァ、ヨイヤサノサッサァ……。ナラドニャアラァヨーイノサァ〜……。




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