詩はどこにあるのだろうか/山人
 
れた場合、その、たとえば難解な詩の価値は落ちてしまうのではないだろうかと思うのである。あくまでも私的にはつまり、比喩は作品の強度を高める道具という気がするのである。
 詩は、幸福過ぎても書けないし、忙しすぎても書けない。ポジティブシンキングの只中の人が詩を作ることはないであろうと私は想像する。しかしながら、幸福であっても、どこかに皮肉る心のゆとりもあったり、思考の刹那の瞬間に何かを書き留めたくなるのだろう。「煙草は心の日曜日」という旨い比喩があったが、詩作も煩雑な平日から解放され、ゆったりとした気分の時に、詩を書くことが休日の楽しみでもあったりするのかもしれない。
 詩集というものをあまり読ん
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