春のように生きよう/微笑みデブ
言い訳のように長く伸びた鉄塔
前の季節の影を踏まないでおくれ
きみは軽くステップする
なびいた前髪がまた元に戻る前に
青空の中で見た雷のように
不衛生なものが溶け出していくんだ
ぼくの内のどうしようもない部分とか
本当はさびしくて仕方がないこととか
川のにおいが濃くなっていって
知らないふりもできなくなってきたから
ホームセンターに寄って花を買う
種類なんて分からないけれど
とにかく庭に植えてしまおうか
そしてできればこのまま、春のように生きよう
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