花筏/あらい
 
と膨らむ 胸の内側を潤し
汚れた手で掬った川の水は冷ややかで
唇から逃げ出した泡沫は還らず私はひとにある
境界線を引く。そのさきまで瞳はおよいでいる
出会うことのない囁きを一閃の穢れまで美しく
解けていく朝は 永遠に降りやまぬ雨と
あなたを。抱きとめるように。
大海遠く 天と地を 別つ
日日が残り物のような ひかりとかげを
またこんど さようならと箇条書き
音感を模写し 多弁を誘う驕奢な戯れとして 
ゆるやかな一縷とともに
見えなくなるまで 
身を寄せ合い ながしては散る
戻る   Point(2)