詩の日めくり 二〇一九年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 
二〇一九年十一月一日 「断片」


彼の顔に答えをさがしていたが、いっこうに見つからなかった。


二〇一九年十一月二日 「断片」


彼は自分の考えのなかで方向を失い、迷子になっていた。


二〇一九年十一月三日 「箴言」


他者がいるので、自分を映しださせて見れる。


二〇一九年十一月四日 「詩論」


音には映像をふくらませる力がある。


二〇一九年十一月五日 「断片」


彼のほほ笑みは、ぼくに警戒心を起こさせるものだった。


二〇一九年十一月六日 「考察」


 ファミレスで友だちとしゃべっていると、近くの席で会話
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