季節の中のシルエット/
番田
出した通りのどこかで、昔の思い出が、バスや電車で嗅いだことのあった匂いのように思えた。乙女ロードに出てきたバッジをバッグに貼り付けた宗教的な雰囲気の女の群れを見ていたのだった。秋葉原の路地のように、本もゲームもなくなっていく時、歩いている彼女たちの行き場所は、ネット以外のどこなのだろうと心配だった。僕はそうすることはなく、ブックオフで漫画を立ち読みして、CDを買って、出てきただけだったのだが。
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