縁は異なもの/板谷みきょう
 
ました。
アリガトウ。』
そう話すと
二人は抱き合って再び涙ぐんだ

そんな出来事の有ったことも
すっかりと忘れた八年後
差出人の解らない手紙が届いた

「覚えておられるでしょうか」
から始まり
現在、旭川近郊の小さな町で
農業を営んで暮らしていることと
見ず知らずの私たちに
歌を唄って励ましてくれたことを
今ではその出来事を
思い出しては二人で懐かしく
語り合える位
生活も安定しています
その節はありがとうございました

終わりに二人の名前があり
拙いながら
カタカナで彼の名が書いてあった

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