自堕落な/
坂本瞳子
澄んだ空が
撒き散らす冷たさは
この上なくて
春はまだ遠いと
思い知らされる
夕焼けは赤く燃え
異様さを見せつけて
闇夜の訪れを
阻もうと試みるほど
夢を見る
白い月が昇る頃
睡魔に襲われながらも
牛乳を飲み干して
迎える風の清々しさは
憎たらしいほど
自らの堕落を自覚し
もうたださらに堕ちていこうと
頭を垂れて
崩れ落ちる砂のごとく
流されて行こう
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