詩の日めくり 二〇一九年九月一日─三十一日/田中宏輔
 
上るのも下りるのも一つの道であると。たしかに、上るのも下りるのも一つの階段ではある。(道は未知に、階段は怪談でもよい、笑)


二〇一九年九月六日 「考察」


 あまり長いあいだ、自分の顔を鏡で見つめていると、別のものを見ることになる。


二〇一九年九月七日 「詩論」


 詩句を目にして、すごく感動することがあるが、忘れてはならないのは、その詩句の意味を受け取って解釈しているのは、読み手である自分であって、詩句のその力がつくり手によってもたらされたのではないことに注意すべきである。つまらない詩のなかの詩句にこころ動かされることがあるのだ。


二〇一九年九月八日
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