女の寝顔/花形新次
 
ったなら
そういえばいい
黙って冷蔵庫を漁るのは止めるんだ」
男は「ヤメルンダ、ヤメルンダ」と
おうむ返しに言った
俺は布団の上から男の頭を撫でると
「おやすみ」と言って
自分の寝床に戻った

昨日の夜はフライドチキンだった
夜が明けたら女に言わなければならない
このままだとあいつは40まで生きられない

しかし、そんなとき
女は決まってこう言い返す
「あんたと一緒だから大丈夫よ」

いつかコルトが火を吹くのは
こいつの眉間に向かってだ

女の忌々しい寝顔を見ながら
俺はコルトを元の場所に戻した
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