寺山修司フェア(ハルキ文庫)/藤原 実
【“寺山修司フェア”(ハルキ文庫)を読みながら】
「寺山修司フェア」と銘打って刊行されたハルキ文庫十数冊のなかの一冊、
『われに五月を』寺山修司(ハルキ文庫)
寺山修司、二十二歳のこれが処女作品集です。収録されるのは俳句、短歌、詩、<ジュリエット・ポエット>と寺山が命名する戯曲のためのエチュードとしての散文詩、友人の山田太一(のち脚本家)等との書簡のやりとりをおさめた日記風のエッセイ・批評などで、のちに「職業、寺山修司」と自称した著者のマルチな才能がすでに存分に発揮されています。
「歌壇も俳壇も詩壇もまったく無視だった。まともな書評も出ずこういう多ジ
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