夢見の午後/ひだかたけし
 
あたたかな
日の光が降り注ぐ
静謐な午後
夢の感触を追いながら
夢の輪郭を確かめながら
眩しく輝く光源に従い
浅い夢見に入っていく

遠い日々、震える記憶
ひとり見つめる
疼く胸のうち
あの日あなたは身を投げ出し
軽々と日常から逃れ出た
砂漠の広大な風紋に
うっとり身を預け
天空の透明な気流に
ゆったり四肢を広げ

ガラスの瞳が宇宙の漆黒に溶けていく

あたたかな
日の光が降り注ぐ
静謐な午後
蕩けるような思いを抱いて
日溜まりのなかへ歩んでいく

夢の際に佇みながら
夢の言葉を反芻しながら
ゆっくりと
今夢見の淵に立つように

















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