アースランテ国王とアイソニアの騎士(二)/朧月夜
 
「軍国ラゴスには、まず五人の千人隊長がおります。
 その下には五万あまりの兵たちがおりますが、
 その士気はそれほど高くはありません。
 これは、小国に限った事柄であると言えましょう」

「それに比して、ラゴスの国は海外領土を持っています。
 この海外領土が曲者なのです。
 野蛮人たちが、その大勢を占めているからです。
 ですから、まずはラゴスの海路を封鎖します」

「孤立したラゴスは、どこにもその援軍を求めることはできません。
 クールラントにしても、その国情は逼迫しているのです。
 今、ライランテの大陸を治めるべきなのは、このアースランテなのです」

「よく言った」ハッジズ・ア・ラ・ガランデの澄んだ声が通る。
アイソニアの騎士は、アースランテの聖騎士のなかでも、
破格の待遇を与えられようとしていたのである。
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