夢のあとさき/塔野夏子
 
夢を炎やしたのか
夢に炎えたのか

いずれにせよそれは炎で
炎えてゆくほどに
   透明な翳りを深め

   深く潜るほどに
   見えてくる星空

遠くからの呼び声

   幾人もの自らが
      自らへと呼びかける声

   幾重もの来し方が
   幾重もの行く末へと
      反響し

      どちらが来し方で
      どちらが行く末か

   めぐりめぐる
   やわらかな円環

      その中央
      とめどなく流れ込むもの
      とめどなく溢れ出すもの

         虹 風 樹々のざわめき 闇
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