それから/ひだかたけし
 
夕べの夢に旅立つとき
私たちが寝床に置き忘れたもの
微かな哀しみと柔かな吐息と

それから

それは長い道のりでした
今振りかえりみれば
沢山の思い遣りと共感と

それから

私たちの魂は還っていく
属する場所へと導かれ
燃える光となって
胸いっぱいの切なさを抱え

それから

それから 遥かな星空が広がり
遠さというものを糧にして
私たちは生きて行く

それからずっと生きて行く

  *

たましいが仄かな熱持ち立ち上がるとき
優しく膝を組まれた懐かしい人にいだかれて





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