目の淵/
草野春心
目の淵に
暗やみの流砂が
付着してい、あおいのか
しろいのか 不確か
数値のかたちを
一息に呑みこんで
膝のあたりに 浮きたつ
いいかげんな ベクトル
牛が草を食む
靴に汗がしみる
雨とともに春の夜がくる
目を とじて ねむる
ひかりからきたのではない
映像がおもいだされる
目の淵に 流砂が
口をひらいて
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