別れのために/ふるる
夜のとばりをバリバリとかじり
新しい鳥が生まれる
生まれながらにして重要
で不確かな自由を継承
ピカピカの街の看板に降り立つ
翼で指図する
お前はあっちでお前はあそこ
立っていればそのうち分かる
役目は俺を満足させることだ
くちばしを磨いで待つ
あの啓示やこのメッセージ
通話アプリで簡潔に
まだ早い、早すぎる、いや遅すぎて耐えられない
椅子でドアを殴っていると
ドアが勝手に開いてみんな逃げる
残された俺が悪いのか
逃げたみんなが弱いのか
別れのために用意した酒とキラキラしたスピーチ
無駄にはできないから鏡に向かって乾杯
色々世話になったなありがとう
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