休日の午後/番田 
 
、なぜか、残されていた。


店員が運んできたミラノ風ドリアを食べた。昔は、キッチンクロスがどのテーブルにもあったような気がした。量は増えていたような気がした、ミラノ風ドリアの味は、そのままだった。それは300円であり、ドリンクバーは200円と、デフレの時のままだった。遠くの席で、二人のおばさんが回覧板がこないのだとかいう、他愛のない話をしていた。店内は空いていて、具体的な料理を食べている人間の姿は見当たらなかったが、二人の時間がどのような意味を持つのかは、よくわからなかった。見えない消費が増えているという話は本当なのかもしれなかったが、経済がインフレ傾向で、景気が回復しているという新聞の話
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