休日の午後/番田 
 
の話は、疑問に思えた。実際、ブックオフで注文したいくつかの本を、そこから、僕は取りに行くところだった。


店を出ると、曇り空ではあったが、雨はそれほどでもなかった。僕は隣町に歩きだしていた。車のあまり通らない道を、いくつか選んで。それでもなお、まばらな車と僕はすれ違っていったのだけれど。そのようなことは、目黒などの都会ではあまりなく、路地で車とすれ違うこと自体が、稀だった。だから、こちらで時々されるように、不意に後ろから来た車に追い抜かれるようなことはなかったのだった。大きな販売スペースを持つ、パソコン屋は、昔と違ってひっそりとしたたたずまいだった。そして、あまり需要のなくなった今でも存在し続けられるのは、場所代がそれほどでもないのだという証拠だったのかもしれなかった。

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